澁澤龍彦『快楽主義の哲学』

敬愛する澁澤さんの本の中で、迷ったり悩んだりしたときに読むのがこの本。

カビ臭い幸福論や哲学に救いを求める時代は去れり。ヒリヒリするような快楽だけが人生の目的。精神的貴族主義を鼓吹する煽動の書
人生に目的などありはしない―すべてはここから始まる。曖昧な幸福に期待をつないで自分を騙すべからず。求むべきは、今、この一瞬の確かな快楽のみ。流行を追わず、一匹狼も辞さず、世間の誤解も恐れず、精神の貴族たれ。人並みの凡庸でなく孤高の異端たれ。時を隔ててますます新しい渋沢龍彦の煽動的人生論。

一見するとエピキュリアン的な生き方を説いているようで、
その実彼が扇動するのはどこまでも精神的にマッチョな快楽主義であり貴族主義。
いわく、幸福かどうか考える前にまず行動せよ、自己分析は自分の協会を縮小していくことであり、快楽主義者は限界を越える。
といってももちろん男性の話なので女性に適用できるかは?
結局のところ色男は評価されるけど女性は。椿姫みたいな作品もあるけど、最終的に改心して一人の男を愛さないと、認められませんものね。
それでも私は精神的貴族という言葉に憧れを抱くのですが。